キャリアアドバイザー・40歳手前の僕が、人事・採用系フリーランスで独立した理由
僕は2018年に人事・採用系フリーランスとして独立しました。
昔の知人や同僚に会うと、
「フリーランスで独立するってことは、
それだけミッション・ビジョンが明確なんですよね?」
と言われます。
「半分は正解で、半分は正しくない」かなと。
なぜなら、僕にとってフリーランスという働き方は
会社員で雇用されているより自然体であり、
特別なものではないと考えるからです。
あくまで働き方の1つの選択肢。
ただ、とはいえ、
・なぜ39歳で家族(妻、息子二人)がいて、
・さらに2回フリーランスという働き方を目指して失敗していながら、
・需要が少ない人事領域で(webエンジニア等とは比較にならない)、
・経験もスキルも凡庸なイチ会社員の自分が
人事・採用系フリーランスとして独立し、やっていけているのか。
最近、各メディアでもよく話題になる、
副業、業務委託契約、フリーランスという働き方に興味はあるけど、
実際どうなの?と疑問に思われている方(特に人材・人事)に参考になればと思い、
書かせていただきます。
(今回は主に「採用系フリーランスになった理由」について書くので、
マーケットやスキル、ノウハウ的なものは別途記事にします)
- 僕は2018年に人事・採用系フリーランスとして独立しました。
- 1.フリーランスになった理由①:自分にフィットする働き方へ進むため
- 2.フリーランスになった理由②:会社員としての「地獄」が見えている
- 3.フリーランスになった理由:その他
- 4.自信や勝算はなかった
- 5.3回目の挑戦でうまくいった理由
- 6.家族の反応は?
- 7.まとめ
1.フリーランスになった理由①:自分にフィットする働き方へ進むため
「目指す働き方」というと硬い表現になりますが、
フリーランスという働き方は自分にとってごくごく自然な在り方でした。
中学生時代から、年功序列的なチームスポーツ(部活動)が大嫌いで、
陸上競技のように、「自分一人でも練習を組み立て成長でき」、
「自分の実力=タイム」でシンプルに他者と勝負できる生き方がいいなと考えていました。
会社組織だと、
どうしても組織内の政治や人間関係に起因するロスがあり、
組織の縦割りや、社内上長からの評価制度があるため、
クライアント⇔自分、という構図で働くことができない部分がジレンマでした。
「もっとシンプルに、自分とクライアントが向き合って貢献したい」
というのが本音のところでした。
【フリーランスとして感じるメリット】
◎自分で決めることができる
仕事案件、クライアント、働く場所、時間、報酬、付き合う人など、
「自分で決めること」ができるというのは超重要なところだと思います。
もちろん、自分も家族がいるので一定の経済的報酬が必要なため、
バランスはとりますが、「この会社の文化や人は合わないな」と直感で思ったら、
仮に好条件のオファーが出ても、他に仕事案件がなかったとしても、
その案件はお断りします。
◎クライアントからダイレクトに評価される
これはある意味、低評価を受けることもある厳しい部分でもありますが、
陸上競技の「タイム」という言い訳ができないもので評価されてきた自分にとって、
むしろ納得度の高いものです。
(ちなみに僕は中学時代にスラムダンクに感化されて
バスケットボール部だったのですが、
監督や先輩から扱いやすい従順っぽく振る舞う同期が重宝されたり、
チームスポーツだと誰かの調子が悪いと他のメンバーも影響されたり、
という経験をし、自分が結果にシンプルに向き合う生き方をしたいという想いを強く持ちました。)
例えば、会社員の場合、
仮に営業で高い成果を出したり、クライアントから高い信頼を獲得したりしても、
上司と考え方や価値観が合わない場合等、
その会社では評価はしっかりされません。
会社内で評価されないと昇進・昇格・昇給はしづらく、
30代途中までは「一定業績出せば」なんとかなると思いますが、
40代、50代になったときに、
「まだあの人、係長とか課長クラス?マネジメントできないんでしょ」なんてなったら、
絵に描いたような惨めなキャリアを歩む可能性があります。
(寿命が延びる中、さらに60代以降は推して図るべしです)
その点、フリーランスは「自分とクライアント」の間に介在するものがなく、
自分自身の仕事に向き合うスタンスや成果等でシンプルに評価されます。
それが心地よく、
もし成果が出なくて仕事が打ち切りになったとしても、
それはそれで自分の力不足だったという反省になります。
また、成果がでなければ、
そのクライアントにとって、他の人が担当した方がハッピーなのでしょうし、
自分にとっても成果が出ない仕事=何らかのフィットしない理由があり、
辞めたほうがいい、というサインかもしれません。
2.フリーランスになった理由②:会社員としての「地獄」が見えている
ここまでは「フリーランスになったポジティブな理由」を書きましたが、
別の本音の部分では、会社員として生き残ることができないな、
という現実もヒシヒシと感じていました。
◎会社員は「マネジメント」ができないとだめ
新卒で入ったGMOインターネットグループの求人広告会社では、
課長として6名のマネジメントも経験しましたが、
正直、全然やりたいと思えませんでした。
価値観や生き方が違うメンバーに対して、
他人から指図されることが大嫌いな僕という人間が、
何らか指示をしてまとめていく必要がある。
全くマネジメントで価値発揮するイメージが持てませんでした。
※マネジメントやリーダーの定義もあると思いますが。
日本における会社員としてのキャリアパスは、大きく2つです。
マネジメントをしていくか、スペシャリストで専門特化でいくか。
過半の会社員はマネジメントの方にいくしか道がない。
それは自分にとって絶望でしかなく、
先がないのにとりあえず目の前の業務をこなしていく日々でした。
(いやー、今思い出しても、辛くて暗い気持ちになります)
◎会社員としての「地獄」が見えていた
改めてですが、30代後半になってマネジメントに興味や適性がない。
つまり、これは会社員にとって簡単に言うとどうなるかというと、
・昇進昇格ができなくなる。
・結果的に経験できる仕事領域が広がらず成長しづらくなる。
・社内での存在価値が下がっていく。
・既存の仕事もやりづらくなり、窓際族へ。
という地獄への緩やかな(←ココ大事。リアルに気づいたときは手遅れ)下り坂が
口を開いて待っている、ということです。
「会社員という枠の中に留まり、地獄に落ちるのはいやだ!」
という、脱出しなければ、という強い危機感もフリーランスになった大きな理由です。
3.フリーランスになった理由:その他
その他としては、
・会社が掲げる理念やビジョンと、現場業務との乖離への強い違和感
・会社員として生きる前提の同僚と話していてもワクワクしない
等はありますが、小さなよくある不満の類。
メインは「自分の目指したい働き方」と「会社員としては限界が見えていた」
ということが、僕がフリーランスになった理由です。
※なお、フリーランスになることによるリスク、デメリットは別記事でご紹介します。
4.自信や勝算はなかった
フリーランスとしてやっていける(家族・経済面もOK)自信があったのか。
感覚的に自信はあったけれど、確固たる自信はなかった、
というのが、正直な心境でした。
そもそも、僕は2009年と2018年にフリーランスになろうとして、
2回失敗している人間。
自分の力でお金を稼ぐことに対して、
意識のハードルが無茶苦茶高くなっていて、
「フリーランスでやるのは難しい」と思いこんでいました。
5.3回目の挑戦でうまくいった理由
では、なぜ「三度目の正直」が起こったのか。
詳細は別記事で記載したいと思いますが、
簡単に言うと、
・「創業・成長企業の採用支援」という、人事業務の外出し需要があるマーケットとつながった。
・個人で採用フリーランスをする人間が比較的少ない競争環境でスタートできた。
・「Will(やりたいこと)」だけではなく、
「Can(できること)」や「Must(やらなければならないこと)」も重視した。
・to Cサービスではなく、to Bサービスを提供するようになり、業務や報酬が安定した。
といったところかと思います。
※過去2回の失敗経験は、「こういった業務/案件は自分には向かないな」、
という判断をする際の一助になっているので、無駄ではなかったです。
6.家族の反応は?
よく「フリーランスでやっている」というと、
「ご家族、特に奥さんは反対しませんでしたか?」
と質問されますが、
僕の場合は全くありませんでした。
大学からの20年来の付き合いでもあり、
僕の自立志向性を理解してくれていて、
また良い意味で干渉しない間柄だからかもしれません。
なお、起業する方含めて、いろいろなケースがあると思うので
一概には言えませんが、
僕が言うまでもなく、「VUCA」や「100年人生」と叫ばれる中、
フリーランスになるくらいのことでパートナーから反対されたら、
何も挑戦できないし、自力での未来開拓もできないし、
残念だなと思ってしまいます。
30代でしたら転職の門戸も広いですが、
40代、50代、60代になって、
「転職=どこかの誰かに雇用される」しか選択肢がないことの方が、
リスキーかなと思います。
(もちろん、パートナーの価値観等に合わせて説明することや、
最低限の生活面の安心提供などは必要ですが)
7.まとめ
僕が採用系フリーランスになった理由は、
①自分にフィットする働き方を選択した
②会社員としての「地獄行き」を避ける危機回避
という2つがメインでした。
大事にしたい考えはあるけれど、
高邁で明確なビジョン・ミッションがあるわけではない。
そういったものは、一定の方向性はありながら、
動きながら創り、変えて、また創り、なのかなと思います。
フリーランスと言っても、
会社員という働き方の、すぐそばにある1つの働き方。
構えずにアクションすること、が何より大事なのかもしれません。
ちなみに、僕はいいことも悪いことも、
包み隠さず話す人間なので、
もし、この記事を読んでくださった方の中で、
「会社員」や「転職」という選択肢以外の働き方に
興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、
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