採用人事系フリーランス市場のリアル
「いったい、生活するだけの収入を得ることができるのか?」
経済的な安定は、
会社員の方が、フリーランスとして独立することを検討した時に、
最も障壁となる事柄です。
【新しい働き方の障壁 トップ3】
1位 収入
2位 安定性 ※これも収入の安定性も含まれていると思われます。
3位 漠然とした不安
それでは、調査データと私の実例を用いて、
採用人事系フリーランスが、
どのように案件を獲得しているのか、
またどのくらい金銭的報酬を得られるか、
注意点なども交えて見ていきたいと思います。
※データ
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2019/03/freelancehakusho2019_suvey20190306.pdf
1-1.人事採用系フリーランスの報酬相場
「稼働はどのくらいできますか?」
会社員の方には馴染みがない表現かもしれませんが、
「稼働率〇%」という表現がクライアントやフリーランスエージェントとの間で
よくやりとりされます。
例えば、稼働率100%=160時間/月(8時間/日×20日)です。
その稼働率に応じて、案件が受注できるか否かや、
報酬額が決まることも多くあります。
では、仮に稼働率100%の場合、
人事採用系フリーランスの場合、どのくらいの報酬になるのか?
(想定:企業内に常駐したリクルーター業務)
相場は、「100~120万円/月」
直契約か、エージェントが入るかによって変わりますが、
クライアントが想定する予算額の目安として、このくらいです。
(エージェントが間に入る場合、20~50%を抜くので、
フリーランス本人に払われるの報酬は50~90万円程度になることが多いかと思います。
時給換算で3000~6000円程度でしょうか)
なんだ、月に50~90万円もあれば十分じゃない。
そう思ったあなた。
一見は確かにそうなのですが、
そこから経費や健康保険、年金、住民税などなどを支払うことと、
あくまで期間限定(3か月~12か月等)の契約であることが
前提としてあります。
会社員のように、
今の年収は〇万円。3年後は先輩と同じくらいの〇万円くらいになるな、
なんていう計算は立ちません。
来月は収入0円になることも普通にあり得ます。
(あと、少し盲点なのが報酬の支払いサイト。
月末締めの翌々月末支払い、なんていう場合は、
今月やった仕事の報酬が、2か月後の月末にやっと入ってくる。
会社員時代の、毎月25日の給料日に給与が振り込まれることが奇跡に感じるようになります。
キャッシュフローを考えておかないといけませんね)
1-2.私の場合(報酬編)
自分の場合は、最初はクライアント企業に週5日常駐の案件からスタートしました。
時期によっては最大4案件を並行で対応し、
60~150万円/月の報酬を安定していただくことができました。
が、間にエージェント的な人間が入っていたりすると、
仲介料で20~50%とられるため、
もし直契約ができていれば120~300万円/月の報酬額でしたね笑
(案件獲得が、特に独立初期は難しいのでやむを得なかった形です)
今(2018年・2019年)は、まだまだ企業が採用難で、
私のような採用フリーランスの需要がある状況です。
特にベンチャー・スタートアップ企業を中心に、
「採用に正社員のマンパワーを割けないが、採用は大事」
という企業様が多いので、
このようなマーケット状況がしばらく続くかと思います。
(逆に言うと、マーケット状況が良いうちに、
経験・実績を積まないと、
ライバルが増え、市場が冷え込むであろう3年後に参入しても苦戦すると思います)
2-1.仕事案件の探し方
さて、フリーランスの方はどのように案件を探すのでしょうか。
下記の調査結果にあるように、まずは「人脈(知人)」や「過去・現在の取引先」という2つが、
主な仕事案件を獲得する経路になるようです。
実感値としても、商品サービスにもよりますが、
人柄や実績、仕事ぶりを知っている人からの仕事、
ということは双方にとって望ましいことですね。
※データ
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
https://blog.freelance-jp.org/wp-content/uploads/2019/03/freelancehakusho2019_suvey20190306.pdf
2-2.私の場合(案件獲得編)
自分の場合は、案件獲得経路は、
人脈:エージェントサービスが5:5でスタートでした。
より細かくいうと、知人経由でエージェントを詳細してもらい、
そこからの案件獲得、ということもありましたので、
広く言うと人脈が大事なのかなと感じます。
(エージェントといっても、どの人に対しても同じサービスを提供するのではなく、
「〇〇さんから紹介された人材」だから、より早く、より良い案件を紹介する、
ということが背景があります)
理想的には、先ほどの報酬相場の欄で書いたように、
自分で直接案件を獲得することができれば、
報酬面ではメリットが大きいですが、
エージェントが間に入ってくれることで、
クライアントのやりとり(例:報酬交渉、業務の進め方をどうするか等)を
仕切ってくれるので助かる面もあります。
※補足:
2019年に入り、人事採用系の案件開拓方法に関しては、選択肢が一気に増えてきています。
・IT系案件メインの大手エージェントでもちらほら扱いが増えてきている。
・wantedlyのような媒体でもRPO(採用代行)案件が出ている。
・人事採用系案件に特化したエージェントも増加(フリーランス案件も、経理やマーケ専門等、専門特化方向です)。
・ダイレクトソーシング(スカウト)だけの案件などもある。
3.まとめ
人事採用系フリーランスとしての独立を検討する方々が
最も不安に感じる「収入/経済的安定」に関して、
調査データと私個人の事例を交えてご説明させていただきました。
・報酬相場:稼働100%で100~120万円/月。エージェントが入ると50~90万円/月
・案件獲得の方法:人脈、取引先の他に、エージェントや広告媒体など幅広くある。
顧問や経営コンサルクラスまでの知見がなくても、
採用実務を担う人事採用系フリーランスでも、
一定水準の報酬を獲得することは可能です。
ただ、これは採用マーケット(需要が強い)と、
まだ2018年・2019年だとライバル(フリーランス人材の供給)のバランスにおいて、
供給が少ないから、という側面があります。
どんどんと人事採用系フリーランスになりたいという方が増えてきているため、
早めに実績・経験・人脈を構築することが何より重要になりそうです。
(フリーランス向けエージェントをしている知人数名に聞くと、
特に2019年に入って人事採用系フリーランスを目指す人が目立って増えてきているようですね)
マーケット状況が良いとはいえ、
例えば近い転職マーケット(社員転職の募集件数)等と比較すると、
比べるべくもないくらい少ないため(1%以下でしょうか)、
どうしても実績のある人に案件が集中する傾向はあります。
案件をしっかりグリップしているエージェントにお世話になる、
もしくは実績を積んだ人事採用系フリーランスの方に相談をして、
信頼できる案件を紹介してもらう、
ということが確実かつ最短な案件獲得の道筋かなと個人的に考えます。
もし人事採用系フリーランスでの独立にご興味ある方がいらっしゃれば、
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(メール、Messenger等でお答えいたします)