採用人事系フリーランス/Segurosの日記

採用人事系フリーランスの「現場」からみた、採用・転職・働き方・生き方のリアルを発信

フリーランス協会認定「フリーランス&パラレルキャリア支援アドバイザー講習」を受けて②

先日(2019/10/24)、フリーランス協会主催*1

フリーランス向けキャリアアドバイザー」講座2日目に参加してきました。

 

講座の紹介ページはこちら↓

https://www.freelance-jp.org/advisor

 

講習1日目の記事はコチラ↓

seguros.hatenablog.com

 

 

1.講義の内容

1日目も充実した内容でしたが、

2日目は情報量も多く、網羅的で気づきがたくさんありました。

(下記は講義内容全てではないですが、自分が印象に残った内容を抜粋)

1-1.「もやっと族」は手段から入る

「もやっと族」は書いてそのまま、

何をしたいのか/向いているのか/何が楽しいのか・幸せなのか、

が不明確な状態の人たちの総称。

 

こういった人たちは、「手段から入る」という指摘にはハッとさせられました。

手段・・・転職しよう、異動しよう、新規事業を立ち上げよう、副業しよう、

     フリーランスになろう、起業しよう等の手段/形式から入る。

 

ただ、こういった人の場合、

仮にフリーランスになったとしても、しばらくすると同じような

「もやっと族」になることが多いそうです。

(転職支援の現場で置き換えると良く理解できます。

根本的な課題解決をせずに、表面的な不満解消で転職しても、

また転職を繰り返そうとする悪いジョブホッパーになるケースと同じ)

 

1-2.フリーランスに向いている人とは?

では、どういった人がフリーランスに向いているか。

協会によると以下になります。

 

・specialty:専門性を更新している

value:自分の価値を把握できている

growth:成長意欲が高い

・positive:前向きに何事も楽しめる

・happiness:自分なりの幸せを知っている

・cooperation:周りをうまく巻き込んでいる

・footwork:フットワークが軽い

 

「確かに!」と思える内容ですね。

会社員の方でも価値ある人材は同様かと思いますが、

より「自律」要素が強い印象です。

 

1-3.「自分の本音」を知る=「what」ではなく「why」の自己紹介

これはシート(仕事、社会貢献、プライベート生活、趣味の4軸)での

今までの取り組み活動を棚卸をし、その後、ペアで自己紹介をするワーク。

 

8項目、「他人に話したい」と思えることを書き出すのですが、

なかなか思い浮かばず・・・。絞り出すように書きました。

(キャリアアドバイザーやコーチングしているのに、

自分のこととなると全く出てきませんね・・・)

 

私は「仕事」よりの内容はすぐに思い浮かんだものの、

いざ人に自己紹介しようとすると、

あまり熱がこもらずに、

「趣味やプライベート」よりの内容を滔々と語ることになり、

意外感を持ちました。

 

これはつまり、いつもは「what」で自己紹介をし、

「why」を伝えていないということの現れ。

 

・whatの自己紹介:〇〇会社で営業をしています。最近〇という資格を取りました。

・whyの自己紹介:僕は〇に興味があって取り組んでいて、なぜなら過去に〇という経験をして、そこで自分が夢中になれると感じたからです。

 

心理的安全がない場でのwhyの自己紹介は簡単ではないですが、

whatでの自己紹介は、話すのが楽ですが、心に残らないですね。

 

1-4.改めてキャリア自律とは?

講座1日目にも紹介をされましたが、

フリーランス協会の定義する「キャリア自律」がいい感じだなーと

改めて思います。

 

「めまぐるしく変化する環境の中で、

自らのキャリア構築と継続的学習に取り組む

(個人の)生涯に渡るコミットメント。

自分自身を理解し、他者のニーズ把握や調整をしながら、

キャリアの主体者として自己実現ができること」

 

変化に対応しながら成長する。

また、自分のやりたいことだけではなく、

「他者のニーズを把握・調整」=マーケットを意識する、

というところが言い得て妙だな、と感じます。

 

1-5.フリーランスを取り巻くリスクや社会保障制度等の実態

この部分は、社会保障を軸に

フリーランスと会社員の違いを説明いただきました。

協会が政府にも働きかけてくださっているので、

フリーランスという働き方を念頭に置いていない)

制度は徐々にバランスがとれていくのだと思いますが、

社会保障部分だけ」を見たら、会社員との差異は歴然。

 

雇用保険労災保険は当然、フリーランスは適用されないのですが、

個人的に盲点だったのが、

会社員であれば雇用保険から出る出産時の「育児休業補償」の有無。

特に女性でフリーランス志向の方の場合、

これを加味してタイミング等を検討しなくちゃね、という声が上がっていました。

 

ただ、当然フリーランスになることで得られる価値もあるので、

社会保障面で不利な側面は事実としてある」

と認識しておくことが大事になります。

 

1-6.フリーランスだからこそのキャリア形成

よくフリーランスについて指摘されることとして、

フリーランスになるとスキルアップ、成長できないよ」

との言葉。

この指摘の裏には、フリーランス=外注(非中核業務ばかりをする)と

いう誤った認識が中高年層を中心にあるのだと思いますが、

フリーランスも様々なビジネスの側面に関与でき、

またその回転数・率が高いので、

フツーに会社員をやるよりもスキルアップできる面もあると思います。

 

ただ、確かに「会社が提供してくれる教育研修」はないので、

スキル(専門と間接)×自助・共助の4象限で、

どのようなスキル分布になるか説明いただきました。

 

2.気づき

盛りだくさんの講義内容。

全て消化しきれていませんが、講義を終わった後にまず感じたことは、

フリーランス向けキャリアアドバイザーの重要なスタンスは

「中立」であること。

 

自分の場合、ともすれば、

フリーランスになりたい?チャレンジしたらいいじゃない」

と後押しする方向で考え勝ちですが、

社会保障制度、契約問題など、現実的に会社員より

難しい部分があるのも事実。

 

また、会社員より「キャリア自律」していることが

重要なものがフリーランス

何となく家を出て、電車に乗って通勤して、

オフィスに着いたら、否が応でも何か作業して

気づいたら1日が終了。

飲み会で飲みすぎても、

まあ、また明日もとりあえず会社に行けばいいや、

というような会社員の気楽さはありません。 

 

メリット・デメリットのどこかだけを強調するのではなく、

中立的に情報提供しながら、

最終的にはご本人が判断できるようにする、

というスタンスが大事だなと感じました。

 

【まとめ】

 前2回のフリーランス向けキャリアアドバイザー講習。

まだ課題をクリアしないと認定はされませんが、

一緒に学べた方々含め、非常に有意義な講習でした。

 

フリーランスという働き方を選択する意味や目的、

向き/不向き、

マーケットにおける価値、

社会保障制度の事実、

といったことを中立な立場から伝えることが、

「流行り」のようにファッションとしてフリーランスが増やさず

フリーランスにフィットする人がフリーランスに着実に増え、

フリーランスとして活躍していけるようにする、

そんなアドバイバーになれたら、と思った次第です。

*1:

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会

https://www.freelance-jp.org/about