フリーランス協会認定「フリーランス&パラレルキャリア支援アドバイザー講習」を受けて②
「フリーランス向けキャリアアドバイザー」講座2日目に参加してきました。
講座の紹介ページはこちら↓
https://www.freelance-jp.org/advisor
講習1日目の記事はコチラ↓
1.講義の内容
1日目も充実した内容でしたが、
2日目は情報量も多く、網羅的で気づきがたくさんありました。
(下記は講義内容全てではないですが、自分が印象に残った内容を抜粋)
1-1.「もやっと族」は手段から入る
「もやっと族」は書いてそのまま、
何をしたいのか/向いているのか/何が楽しいのか・幸せなのか、
が不明確な状態の人たちの総称。
こういった人たちは、「手段から入る」という指摘にはハッとさせられました。
手段・・・転職しよう、異動しよう、新規事業を立ち上げよう、副業しよう、
フリーランスになろう、起業しよう等の手段/形式から入る。
ただ、こういった人の場合、
仮にフリーランスになったとしても、しばらくすると同じような
「もやっと族」になることが多いそうです。
(転職支援の現場で置き換えると良く理解できます。
根本的な課題解決をせずに、表面的な不満解消で転職しても、
また転職を繰り返そうとする悪いジョブホッパーになるケースと同じ)
1-2.フリーランスに向いている人とは?
では、どういった人がフリーランスに向いているか。
協会によると以下になります。
・specialty:専門性を更新している
・value:自分の価値を把握できている
・growth:成長意欲が高い
・positive:前向きに何事も楽しめる
・happiness:自分なりの幸せを知っている
・cooperation:周りをうまく巻き込んでいる
・footwork:フットワークが軽い
「確かに!」と思える内容ですね。
会社員の方でも価値ある人材は同様かと思いますが、
より「自律」要素が強い印象です。
1-3.「自分の本音」を知る=「what」ではなく「why」の自己紹介
これはシート(仕事、社会貢献、プライベート生活、趣味の4軸)での
今までの取り組み活動を棚卸をし、その後、ペアで自己紹介をするワーク。
8項目、「他人に話したい」と思えることを書き出すのですが、
なかなか思い浮かばず・・・。絞り出すように書きました。
(キャリアアドバイザーやコーチングしているのに、
自分のこととなると全く出てきませんね・・・)
私は「仕事」よりの内容はすぐに思い浮かんだものの、
いざ人に自己紹介しようとすると、
あまり熱がこもらずに、
「趣味やプライベート」よりの内容を滔々と語ることになり、
意外感を持ちました。
これはつまり、いつもは「what」で自己紹介をし、
「why」を伝えていないということの現れ。
・whatの自己紹介:〇〇会社で営業をしています。最近〇という資格を取りました。
・whyの自己紹介:僕は〇に興味があって取り組んでいて、なぜなら過去に〇という経験をして、そこで自分が夢中になれると感じたからです。
心理的安全がない場でのwhyの自己紹介は簡単ではないですが、
whatでの自己紹介は、話すのが楽ですが、心に残らないですね。
1-4.改めてキャリア自律とは?
講座1日目にも紹介をされましたが、
フリーランス協会の定義する「キャリア自律」がいい感じだなーと
改めて思います。
「めまぐるしく変化する環境の中で、
自らのキャリア構築と継続的学習に取り組む
(個人の)生涯に渡るコミットメント。
自分自身を理解し、他者のニーズ把握や調整をしながら、
キャリアの主体者として自己実現ができること」
変化に対応しながら成長する。
また、自分のやりたいことだけではなく、
「他者のニーズを把握・調整」=マーケットを意識する、
というところが言い得て妙だな、と感じます。
1-5.フリーランスを取り巻くリスクや社会保障制度等の実態
この部分は、社会保障を軸に
フリーランスと会社員の違いを説明いただきました。
協会が政府にも働きかけてくださっているので、
(フリーランスという働き方を念頭に置いていない)
制度は徐々にバランスがとれていくのだと思いますが、
「社会保障部分だけ」を見たら、会社員との差異は歴然。
雇用保険や労災保険は当然、フリーランスは適用されないのですが、
個人的に盲点だったのが、
会社員であれば雇用保険から出る出産時の「育児休業補償」の有無。
特に女性でフリーランス志向の方の場合、
これを加味してタイミング等を検討しなくちゃね、という声が上がっていました。
ただ、当然フリーランスになることで得られる価値もあるので、
「社会保障面で不利な側面は事実としてある」
と認識しておくことが大事になります。
1-6.フリーランスだからこそのキャリア形成
よくフリーランスについて指摘されることとして、
との言葉。
この指摘の裏には、フリーランス=外注(非中核業務ばかりをする)と
いう誤った認識が中高年層を中心にあるのだと思いますが、
フリーランスも様々なビジネスの側面に関与でき、
またその回転数・率が高いので、
フツーに会社員をやるよりもスキルアップできる面もあると思います。
ただ、確かに「会社が提供してくれる教育研修」はないので、
スキル(専門と間接)×自助・共助の4象限で、
どのようなスキル分布になるか説明いただきました。
2.気づき
盛りだくさんの講義内容。
全て消化しきれていませんが、講義を終わった後にまず感じたことは、
フリーランス向けキャリアアドバイザーの重要なスタンスは
「中立」であること。
自分の場合、ともすれば、
「フリーランスになりたい?チャレンジしたらいいじゃない」
と後押しする方向で考え勝ちですが、
社会保障制度、契約問題など、現実的に会社員より
難しい部分があるのも事実。
また、会社員より「キャリア自律」していることが
重要なものがフリーランス。
何となく家を出て、電車に乗って通勤して、
オフィスに着いたら、否が応でも何か作業して
気づいたら1日が終了。
飲み会で飲みすぎても、
まあ、また明日もとりあえず会社に行けばいいや、
というような会社員の気楽さはありません。
メリット・デメリットのどこかだけを強調するのではなく、
中立的に情報提供しながら、
最終的にはご本人が判断できるようにする、
というスタンスが大事だなと感じました。
【まとめ】
前2回のフリーランス向けキャリアアドバイザー講習。
まだ課題をクリアしないと認定はされませんが、
一緒に学べた方々含め、非常に有意義な講習でした。
フリーランスという働き方を選択する意味や目的、
向き/不向き、
マーケットにおける価値、
社会保障制度の事実、
といったことを中立な立場から伝えることが、
「流行り」のようにファッションとしてフリーランスが増やさず
フリーランスとして活躍していけるようにする、
そんなアドバイバーになれたら、と思った次第です。